結果
烏骨鶏たち、孵化率100%! 優秀です。
地鶏、どうした……?
一般的に販売されている有精卵はもちろん無精卵がある程度混じるのは許容範囲内ですが、買ってきた卵すべて受精されてないなんてあるだろうか……
21日経過後、光で透かしてみる検卵(写真は撮れなかった)にて加温前と同じ様子であることと、中身開封にて確認しました。
今度からちゃんと「種卵」でやろう……
(そもそも有精卵を食用にしたところで栄養学的な違いはないから家庭孵化専用にしてほしいところ)
以下、孵化するまでの経過報告:
孵卵器の途中修正
PIDパラメータと温度の再調整
なんとなく卵をさわると、卵本体にあまり暖かさを感じなかったため、
入れて5日目あたりで温度を39度まで引き上げ、PID係数も再調整しました。
オフセットが-0.3度程度あることを想定していたので、結果的に卵本体も適温になったようです。
転卵時のセンサ位置変化による計測湿度変動の対策
卵にできるだけ近い位置での温湿度をとるため、可動する転卵装置にセンサをくっつけていましたが、転卵時の角度変化によって測定ムラがでるようです。
温度制御という意味では庫内で一定を保っていればよいので、このあと側壁でだいたい同じ数値を示す位置にセンサを貼り替えました。
次回の稼働では庫内環境を均一にするためのDCファンをもう少し大きいものに取り替えようと思っています。
1羽目:孵化の瞬間には間に合わず
加温開始して5日目から、仕事で家を離れていたため、リモート監視以外は放置していました。
念のため18.5日経過後に自動転卵装置を停止するように設計はしておきました。
そして19日目の夕方に帰宅。
ちょっと早くない??!??!?(嬉)
この早生まれの子は転卵装置のカゴの下のところで気持ちよさそうに寝てました。
本来は転卵停止後、転卵装置から取り出して横置きにしておくつもりでしたが…… 縦向きのままでもちゃんと出てくるのはしらんかった。新発見でした。
MQTTで遠方からリモート監視&制御していた自作孵卵器、問題なく3週間稼働を確認して昨晩戻るとウコッケイ1羽うまれてました🎉
— うこ (@ukokq) 2020年7月25日
残りも今日中に全部孵化しそうです~
Macbookキーボードの放熱がちょうどいいらしく、気持ちよさそうにずっと寝てて作業しづらい🐥 #IoT農家 pic.twitter.com/9tMFIJkENy
いつ生まれたのかは湿度変化を見ればだいたいわかります。
卵が開くと、羊水でずぶ濡れ状態のヒナがコンニチワするので、一時的に湿度が上昇します。
このことから、おそらく正午前後に生まれていたのかな? と考えられます。
夕方の温度変化は僕が孵卵器を開け閉めしたときの影響によるものですね。
2・3羽目:ちょっと難産
烏骨鶏卵の残り2つも、すでにヒビが入っておりクチバシが見えていました。
とりあえず横置きにして様子をみること約半日、あまり進捗がないので触ってみると、湿度70%以上にしているにもかかわらず、卵殻膜が乾燥して張り付いているようです。
さらにうち1つは、クチバシの角度からしてどうやら逆子のようす。
(通常は鈍端…卵の丸いほうにクチバシがあり、円周状に割って出てくる)
このままだと自力孵化は難しそうなので、ぬるま湯を卵殻膜に少し染み込ませ、消毒したピンセットを使ってヒナの背中方向にむかって卵殻をちょっとだけ剥いてあげます。
孵化直後の栄養源となる卵黄が吸収されきっていない可能性があるため、腹側の補助は極力避けるようにします。
丸1日後、逆子じゃないほうも体力に限界がありそうだったので、追加で殻を少し割ってやりました。
自然の理に反するという説もあるようですが、メンドリが孵化しかけてる卵をバキバキに突いて元気に誕生🐣というのを見たことがあるので、たぶん問題ないでしょう。
結果的に2羽とも、途中で少しお手伝いをしただけで、最終的には自分の力で出てくることができました。よかった🎉
地鶏卵:すべて無精卵
先述の通り、検卵の結果無精卵で、一切の発生の見込みがない状態でした。
暗いところでスマホのライトを卵に当てると中身が透けるんです、それで成長の度合いがわかるんですけど、無精卵だとほぼ完全に真っ黄色になって血管すら見えないんですよー
— うこ (@ukokq) 2020年7月25日
「検卵」でぐぐってもらうとなんとなくわかるかと思います!
そもそも胚が無いので、最初から生命とは言えなかったと考えると少し安心です。
どちらかというと、商品表示に問題があるところが大きいような……
というわけで、稼働21日と3時間でミッションコンプリート、といったところです。
おつかれさまでした。
おまけ:孵化直後のケア
餌と水を覚えさせる
小動物用ヒーターと湯たんぽで30度程度を保ちながら、小型のケースで飼育します。
生まれて2日ほどは何も食べなくても平気ですが、下に敷いている新聞の模様を興味津々でつつき始めるので、早速エサをあげてみます。
指でツンツンと床面をつつくとヒナも真似をしてくれます。
同時に、持ち帰りソースが入っていた容器(のようなもの)に水を入れてケース内に置いて、同様に指で水面をつつくことで、水を飲むといったことも覚えさせます。
先天的に歪んだ趾を補正する
2羽目の子と、3羽目の子(逆子)です。
逆子ちゃんは最後にちゃんと自分で出てきたにも関わらず、卵黄嚢(ヨークサック)が完全に吸収されきっていなかったため、「デベソ」がついています。
かわいいですが、ちゃんと乾くまでは細菌感染の可能性が高くなるため要注意でした。
この2羽、どの段階でなのかはわかりませんが、趾(あしゆび)が歪んだ状態で生まれてきています。
立てはしますが不安定で、新聞紙の上では摩擦が効かずにうまく歩けません。
そこで趾がまだ柔らかいヒナのうちにテーピングをして補正してやります。
成長が早く、足裏にフンがつきやすいので、2〜3日おきに外してまた調整し貼ってあげる作業がしばらく必要です。
孵化場で商業的に発生したヒヨコたちで、このような先天性異常のあるものは、有無を言わさず淘汰させられてしまうそうです。
とはいえ、こちらのテーピングにしろ人間のエゴではあるので、何とも言えませんけれども。
引き続き(≒気が向いたら)成長記録をつけていくようにします。