自分用メモですが情報が少なく探している人もいるかもと思い公開。
Wio Terminalをあれこれ触ってみて、うまく使えなかった機能とその対策を書いておきます。
アップデート
2020/11/16: FreeRTOS、eRPC版のWi-FiとBLEを追加。
2020/09/13: ディスプレイ、Wi-Fi、FlashStorage、BLEを追加。
一覧
情報の前提となるバージョンは以下の通りです。
2020/11/16(最新):Seeed SAMD Boards v1.8.1
2020/09/13(初稿):Seeed SAMD Boards v1.7.8
「公式」とは、以下の手順においてボードマネージャで "Wio Terminal" をインストールしたときに、最初から含まれている機能別ライブラリのことを指します。
ボード全体の公式リポジトリはこちら:
ディスプレイ
(2020/09/13)
公式の
TFT_eSPI
がなぜだか、何をしても一切使えません。
あらゆるサンプルスケッチを書き込んだりプログラムを工夫したり、追加ライブラリ(ZeroDMA等・あまりわかってない)を入れたり、輝度が0になってないかまで確かめましたが、ディスプレイに何も表示されませんでした。
ただしSPI接続を細かくいじったりとかまでは試してないです。(CS信号が飛んでないとかあるかも)この
TFT_eSPI
でディスプレイが全く表示されない事象は調べた限り出てこず、よってトラブルシューティングにも載っていません。開発環境は以下の通り。同様の事象が出ている方はコメント頂けると嬉しいです。
- MacBook Pro (16-inch, 2019) ベースモデル
- macOS Catalina (Version 10.15.6)
- Arduino IDE v1.8.13
LovyanGFX
という素晴らしいサードパーティライブラリ、これは普通に便利に使えました。ありがとうございます。 github.com
Wi-Fi
(2020/11/16)
- eRPC版ライブラリ(rpcWiFi)が出ていました。
従来のライブラリ(atWiFi)と互換性のあるコードで利用できます。
eRPCファームウェアを導入後、Seeed-Studio/Seeed_Arduino_rpcWiFiからZIPでインストールします。
www.hackster.io
(2020/09/13)
- 公式手順で5GHz帯も問題なく接続できました。
通信チップ(Realtek RTL8720)のファームウェア更新とライブラリの手動インストールが少し面倒です。
wiki.seeedstudio.com
ざっくり流れ:
- シリアルからの信号をRTL8720に転送するスケッチを書き込み
- ファームウェアをDLし、macOSなのでCLIツールを使ってシリアルポートを指定し転送する
- GitHubから各種ライブラリをZIPでDLしてIDEから手動で読み込む
FlashStorage
(2020/09/13)
公式のものはコンパイルでエラーが出ます(cmaglie氏作:かなり古そう)。 github.com
半年前に出ているEEPROMライクな書き方ができるものは問題なく利用できました。 github.com
BLE
(2020/11/16)
- 前回メモしていたeRPC版ライブラリが使えるようになったようです。
rpcWiFiと同様の手順でeRPCファームウェアを導入後、Seeed-Studio/Seeed_Arduino_rpcBLEからZIPでインストールします。
(2020/09/13)
- 最近追加されたようですががリポジトリに不備がありそのままではZIPインストールできませんでした。
様子見、もしくは少しいじれば使えそうです。 github.com
FreeRTOS
(2020/11/16)
一応タスクは回せますが、割り込みハンドラからサスペンドしたり等の制御がうまく効きません。セマフォとれません。。
Arduinoのライブラリ (Seeed_Arduino_FreeRTOS) のことでしたら、アレ結構無理矢理いれてるので変なところあるかもしれません。
— Kenta IDA (@ciniml) November 15, 2020
具体的には、割り込みハンドラからFreeRTOSのAPI呼べないとか。
ぼそっと呟いたらたいへん有益な情報をいただきました。ありがとうございました。
RTOS利用に関してはしばらく期待できなさそうです。