ひょんなことから、台湾の知人より「12月に短期出張で仕事しに来てくれないか?」というオファーがありました。
この感染騒動のさなかに国外脱出できるとはまたとない機会、そして今のところ9割近くの仕事がリモートなので、ネットさえつながればどうにもなるじゃろ、というか台湾のほうが明らかに安全じゃろ。
ということで行ってきました報告書・その1です。
当たり前ですがこの情勢なので、そもそも海外渡航自体が平時と異なり極めてやりづらいです。
今回はその事前準備編、主にビザ取得について。
そもそも海外出張ってビザいるんだっけ
日本パスポートの場合、観光入国に際してビザ免除としている国は世界一多いです。
商用渡航の場合、短期就労はビザ不要、長期の場合は就労ビザを求めるというパターンが比較的多数かなと思います。
で、台湾の場合。
今回求められた就労期間は2週間で、普段ならば余裕のビザ免除で行くことができます。
しかしコロナ渦中、いずれの目的であってもビザ免除措置は中断されており「特別入国許可」が必要とのことです。
ビザ申請をしにいこう
ビザは「滞在期間」で種類が決まり、「目的」で審査内容が変わります。
今回は2週間滞在、しかし入境後の在宅検疫(隔離)が2週間義務付けられるため、実質4週間滞在です。
しかしそれでも180日以内となるため「停留査証(VISITOR VISA)」の分類となります。
目的についてはもちろん「商務」ですが、今回レアケースで少々面倒だったので備忘録ついでに読みにくくつらつら書いておきます。
ちなみに「観光目的で訪台できない」というのはビザ種別の問題ではなく、「パンデミックの最中に『目的』が『観光』で入境しようとする場合を認めない」という意味のようです。
ややこしいね。
渡航目的
今回のお仕事のお題目は「國立臺灣師範大學のとあるカリキュラムにおける技術指導・学生のプロダクト制作補助」です。
この場合の「目的」は、下の2つが考えられるとのことでした。
- 商務
台湾の会社による招聘の場合は「経済部発行の台湾の会社登記表」が必要とのこと。しかし相手は大学であって会社ではないので、この書類を入手できません。 - 訪問学者
招聘状が必要ですが、雇用関係のあるもの(給料が出るもの)はNG。しかも自分は日本の公的教育期間で教鞭をとっているわけでもなく、学位も学部出ただけでしかなく、到底「学者」とは呼べない身分です。
どのみちビザ取得をするには駐日代表処(領事館のようなもの)に行く必要があり、しかも電話等での予約が必須なので、ついでに聞いてみることにしました。
駐日代表処にビザ申請予約する
まずメインである東京の代表処に電話しようとHP確認したところ、ビザ申請数が急増しているのか電話での予約は不可だとのこと。
しかしビザ種別を問い合わせる必要があったので構わず電話してみました。
台北駐日経済文化代表処(東京)
- 予約必須、10月15日より完全オンライン予約制に(基本的には電話不可)
- 電話対応は 態度のくっそ悪いベテラン風おばちゃん台湾人 or 新人でそれなりに親切なお兄さん系台湾人 のどちらか。後者に当たればラッキーだが…
- ビザの種別はわからんから先方(大学)からの書類を実際に窓口に持ってきてから判断とのこと(おばちゃん)
機嫌が悪かったのかこのあとなぜかガチャ切りされる。怖かった。問い合わせが多くて気が立っているのかもしれない。 - ひとまず10月20日頃の時点でオンライン予約しようとするも、何ヶ月先までも×マークで一切空きがなく予約できず。
埒があかないのでもう一度電話したところ「予約したい日はジャスト30日前の0時になると予約枠解放されるが10分ほどで埋まり×になる。30日以上先の予約日はそもそも解放されていないので×のまま」とのこと(お兄さん)
ひでえUXだ。HPの説明もすごくわかりにくい。 - 電話口で「訪台まで日が短いのでねじ込んでもらえませんか」と頼むと「スイマセン…空き待ちするしか……横浜弁事処なら早いカモ…」とのことで横浜のほうに電話してみることに。
横浜弁事処
- ビザ申請予約は電話にて。
- 電話対応は どちゃくそ親切な日本人のお姉さん。
もう今度は最初からこっちに電話しようとおもいました。 - HPには神奈川か静岡の管轄となっているが、「書類認証」以外であれば本籍地以外の管轄の弁事処に頼ってもいいよとのこと。
ただしビザに関しては自分と同様に東京からあぶれた人が殺到しており、平均1ヶ月待ちだそう。 - 大学関係者と日程調整するんであとでかけなおします……と切り、何回かやりとりをしたが対応は非常に親切。
- でも日程都合上厳しかったので、別の弁事処で調整します、すみません、と断念。
大阪弁事処
- 来所予約不要(念のため電話でも確認)
- そもそも本籍地が兵庫県なのでこっちでいいや、と、実家戻りついでにここに直接行くことにしました。
- 申請に関しては平日の9:00~11:30のみ、と会社員にはシビアな感じ。
大阪で台湾ビザ申請してみた
海外はよく行くもののビザ申請は初めてです。
まず書類関係をざっくり揃えます。こちらは後述。
最も重要なのが「台湾の受入機関からの招聘状」です。
通常は「自分と受入機関」または「自分と会社」で書類を作り、それを代表処へ提出して申請ということになりますが、今回は特殊ケースでした。
大学側から日本の代表処に直接書類が送られ、僕(と同行予定の某大学の先生)のビザを発給するよう要請をしてくれたパターンです。校長先生の直筆サインまで入っており、なんだか強そうな感じです。今回はこの書類の副本を大学からもらったので印刷し、それを持参して窓口に提出しました。
すると開口一番、
窓「こんな書類シリマセンヨ(なぜか苛立ちながら)」
僕「エ…?(゚A゚ ) (なぜ即答!??!?)」
どうやら本国からの書類は常に頭の中に入っているらしく、大学からの正本はまだ来ていないので知らん、とのこと。
いや、もうちょっと言い方あるやろ。。。
ということでその場で大学側に電話して窓口の担当と繋いだ結果、東京の代表処に書類を送ったが、日本国内では各地方の弁事処と書類や連絡を共有しているわけではないので、改めて大阪弁事処に正本を送る必要があるということが判明しました。「分処」とはいうものの、それなりに独立して運用されているようですね。
そういえばHPの案内も、弁事処によって内容が違っていたような気が。
上記は大阪弁事処のHP内でのビザ発給案内記事ですが、東京の代表処よりも比較的わかりやすい内容です。どうか窓口でももうちょっと優しくしてください…!
その日のうちに大学側が書類を送ってくれることとなり、申請費用を支払って領収書を受け取ります。
ビザ受領は後日となり、本来ならば受取日が領収書に明記されますが、今回はビザが出来次第ですぐ電話をいただけるとのことで空欄となっていました。
結果としては翌日すぐに電話をいただくことができ、3日後にもう一度大阪弁事処に伺って無事ビザを受け取ることができました。
パスポートの査証欄ってこうやって使うのか…!
今までスタンプしか押されてなかったので新鮮です。そして結局「訪問学者」と相成りました。今からでもちゃんと院進学すべきだろうか。
PCR検査をあらかじめやっておこう
現在、台湾渡航には目的に関わらず渡航3日前までのPCR検査による「コロナウイルス陰性証明書(英文・紙面原本)」が必要です。
今回は、最近TVCMがよく流れている「にしたんクリニック」さんにお願いしました。
PCR検査専用のサブドメインが作られており、渡航国別に「どの証明がいつまでに必要か」まで書かれていて非常に助かりました。
検査自体は唾液によるもので、クイック検査オプションを追加することで当日中に証明書発行までしていただけました。
(検査時の写真は撮れなかったので割愛)
無症状で感染してたらやだなあ、と思ってましたが大丈夫でした。
医師曰く、ほとんどの場合は何かしらの症状があるらしいです。
揃えた書類とかかった費用
- ビザ申請費用(5300円)
シングルの停留ビザ、ほぼ法定費用のようなもの。 - 会社の在籍証明書(0円)
渡航目的が「商務」となった場合に必要 → 不要でした。
(国立大学から技術枠での招聘だから商務ではない??)
というか今回は個人事業主扱いでの出張なんですが、なんだかんだ弊社は甘すぎる(褒め言葉) - 残高証明書(1048円)
楽天銀行から日本語と念のため英語各1通の計2通、電話で依頼してから到着まで1週間はみといたほうがいいです。
渡航目的が「訪問学者」となった場合に必要 → 不要でした。
(大学側に何かしらの担保があるから??) - 顔写真2枚(800円)
証明写真機で6枚セット、サイズは350x450mmで、うち頭頂部から顎までの長さが320〜360mmのもの。といっても普通にパスポート用サイズで問題なかったですが、最初違うサイズのを間違えて出したら「HPに書いてるでしょ!」と怒られました。 - PCR検査(25200円)
上述クリニックの「PCR検査+陰性証明書発行+クイック検査」コースでお願いしました。
計:32348円
もしこの時期に台湾出張する方がいたら、出張確定した瞬間に横浜弁事処に電話 or 大阪弁事処に凸することをおすすめいたします。
続き:
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